近江高島
大溝の水辺さんぽ

鵜川の集落

比良山地は湖岸に接近し、道(一六一号線)は、湖岸に沿って南に一直線に走っている。鵜川は、その道から個々に約百m入って立ち並ぶといった特異な集落である。古く鵜を飼っていたとの言い伝えの残るところで、その多くは打下村からの分家が多く、分家が更に分家することによって形成されている。

鵜川から鹿ヶ瀬村へ越える道は、鹿ヶ瀬村で「鵜川越」といわれている。鹿ヶ瀬や黒谷の村からは、この道が近道となるために白鬚詣りや小松村へ柿売りに行ったとの話を聞かされる。

現在、この道を元に林道工事が進められ、昭和六十三年、鵜川〜鹿ヶ瀬間が開通し多目的な利用が期待されている。

昭和四十九年に開通した湖西線は三尾山を貫通し、鵜川の集落の上をつっぱしっているが、その眺めは最高である。湖岸から突き出るこの地方独特のエリ漁、オイサデ漁の風景は湖国唯一であり、南(大津方面)からは、高島町にふさわしい玄関口の役目を果たしている。

出典:「高島の民俗」 平成2年1月1日号

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